16_洗浄車


洗浄車は経年や摩耗などによって汚れたレールや道床を洗浄する役割を持つ。

 

・レール洗浄車
曲線区間のレールは車輪との摩擦の低減や乗り上がり脱線の防止を目的として塗油が行われる。
この塗油はレールとフランジとの摩擦時に発生する鉄粉などの粉塵を吸着し塊状化する。
塊状化した油がレール頭部に付着すると車輪の空転の原因となる他、内軌側に付着した油塊は接触式の軌道検測を行う際はもちろん、超音波式探傷検測を行う際も測定精度の低下の原因となる。
そのため軌道検測の前には油塊の除去が必要とされる。

従来はトロに乗車した作業員が鎌状の工具をレール側面に押し当てて除去を行っていたが、除去能力の低さやレール継目に引っかかる危険性があった。
その作業を回転ブラシや高圧の水の噴射によって機械化した物が洗浄車である。

 

・道床洗浄車
地下鉄やトンネル内では雨が降らないため道床に汚れが蓄積される。
蓄積した汚れはATO信号レベルの低下や軌道短絡/共絡の原因となるため定期的な洗浄が必要となる。
その作業を回転ブラシや高圧の水の噴射によって機械化した物が洗浄車である。

 

参考文献

1)芝浦製作所『レール塗油除去清掃装置』,特開平01-237258,(1989.9.21)
https://patents.google.com/patent/JPH01237258A/en

2)JR東日本『レール顎下部清掃装置』,特開2015-10949,(2015.1.19)