MKK-NCWP


■概要
道床噴泥の改良及び並砂利の砕石化目的で東急電鉄にて使用されていた道床更換機。昭和48(1973)年に導入された目黒工業の道床更換機を置き換える形で昭和58(1983)年に導入された。

一晩の施工量は単線平均約15[m]でマクラギ下30[cm]の深さまで掘削可能である。電源車と1セットでモータカーに牽引され使用された。
掘削したバラストはベルトコンベアで隣接線に待機している残土コンテナ車へ積み込み基地へと回送する。

引退前の最後の仕事として田園都市線溝の口駅の改良工事に使用されたが、同じ田園都市線の本線の路盤改良工事には使用されなかった。

昭和41(1966)年に開業した田園都市線は建設時に土木区間の路盤に対策を行わず切盛しただけの施工基面上に線路を敷設したため路盤噴泥が各所で多発した。そのため施工基面下20[cm]に路盤シートを敷きその上に砂を20[cm]散布してさらにその上に新道床バラストを25[cm]散布する施工を行った。バラスト作業車の掘削能力(マクラギ下30[cm])を超えていたためバックホウでの施工となった。

 

■諸元

全長 11,000[mm]
全幅 2,700[mm]
自重 23[t]

参考文献
1)雨宮功・河井徹『東急電鉄における保線作業の機械化』,新線路,第35巻9号,鉄道現業社,(1981.09)
2)東急100年史 Web版『25.鉄軌道事業 歴代車両』
https://www.tokyu.co.jp/history/pdf/tokyu100th_data_25_reki-syaryou.pdf(2023.06.22)
3)河合徹・雨宮功『東急の道床路盤改良の一方法』,鉄道線路,第30巻12号,日本鉄道施設協会,(1982.12)