KVP-2000


■概要
平成3年2月にJR東日本が国内で初めて導入した道床断面の整形、道床転圧、道床のかき込み、かき出し、道床整理を行える二軸バラストレギュレーター。
走行用として2軸の台車と、作業用として移動式の1軸の台車を持つ。
作業装置として、フロントプラウ、サイドプラウ、サテライト式コンパクタ、道床かき出し機構、バラストスイーパーを搭載する。
 
■主な装備・機能
 
1.フロントプラウ・サイドプラウ
軌道中心から片側2.8mまでの道床のかき上げ、かき込みが可能となっている。

2.サテライト式コンパクタ
コンパクタはサテライト構造となっており、車体と独立してレール方向に可動する。
そのため、車体が低定速で走行しながらの作業が可能である。
まくらぎ間、道床肩及び道床のり面の締固めが可能となっている。
軌間内のコンパクティング装置はまくらぎ方向へ125mm移動させることが可能で、これにより脱線防止ガードを避けて施工することができる。

△サテライトコンパクタ断面図 文献2)より

3.道床かき出し機構
軌間内に残されたバラストはベルコン式の道床かき出し機構によって軌間外へ搬出され、バラストスイーパーによって整理される。
 
諸元

■寸法・重量

長さ 15,350[mm]
全高 4,100[mm]
全幅 2,700[mm]
軌間 1,067/1,435[mm]
自重 38[t]
軸重 13.4[t](最大)

 

■エンジン

DEUTZ KHD F12L 413F

 

■ 走行性能

勾配 回送時 作業時
水平線 70[km/h]以上 2[km/h]以上

 

参考文献
1)杉山真一郎『21世紀を担う保線のエースたち⑤ KVP-2000』,鉄道ファン,通巻371号,交友社,(1992)
2)佐藤直樹『新型バラスト整理車の加振機能を活用した定修マルタイの施行』,新線路,46巻4号,鉄道現業社,(1991.4)