82_軌陸通り整正機

概要


軌陸通り整正機(軌陸トラックライナー)とは、列車の通過により左右に変位したレールを修正する通り整正を行う車両の中で、オフレール状態でも自走が可能な車両のことである。
現在、多くのマルチプルタイタンパに通り整正(ライナー)機能が付属しており、また油圧ジャッキを用いた可搬式の通り整正器具もあることから単機能である通り整正機が導入される場面はほとんど無い。しかし、スラブ軌道区間では通り直しの機械化が進んでおらず、手作業によっていたため専用の通り整正機が求められた。

現在、この種の車両はJR東日本にのみ存在し、軌陸ボルト緊解機とともに用いられる。

 
メーカー


 

1992年から東北・上越新幹線向けにスラブ軌道用軌陸通り整正機の開発を開始し、1995年に一次車が実用化された。
その後、2002年から2005頃に能力を向上させた二次車が開発されている。

 
参考文献


土田正, 『スラブ軌道用トラックライナーの開発』, 新線路, 47巻10号, 鉄道現業社, 1993年10月
柳沢義春, 『スラブ軌道用トラックライナーの導入』, 新線路, 49巻7号, 鉄道現業社, 1995年7月
二瓶満, 『新幹線スラブ軌道用トラックライナーの導入』, 新線路, 50巻7号, 鉄道現業社, 1996年7月
中島幹彦・杉木新衛, 『「新幹線スラブ軌道用トラックライナー」による通り整正機械化施工』, 新線路, 54巻9号, 鉄道現業社, 2000年9月
宮本康之・阿部秀明, 『新型トラックライナーの開発』, 土木学会第60回年次学術講演会, 土木学会, 2005年9月