BC-1

作業中のBC-1。文献1)より


■概要
国鉄の「保線作業の近代化」に伴い導入された道床整理機械である。
中編成もしくは特殊編成中でマルタイに続行する形で作業を行い、道床搗固め後のマクラギ面上及びマクラギ締結装置上にある散乱したバラストを清掃して余剰分を軌間外へ排出する。自走することはできないためマルタイもしくは軌道モータカーに牽引される形で作業を行う。
従来のマルタイ作業後の道床整理は人力で行われてきたが当機械導入により機械化された。

 

■構造
当形式は台車、動車装置、清掃装置、操縦装置から構成される。中空軸にゴム製のパイプをつけたブラシをガソリンエンジンを動力として減速装置、摩擦クラッチ、チェーンを介して回転させてバラストを跳ね上げマクラギ中央から両端に向かって傾斜した斜板によって軌間外へ送り出す構造となっている。清掃能力は約1時間で1[km]である。
操作は1人で行うことができ、回送時は車両限界内に吊り上げられるようになっている。

 

■導入台数
昭和45(1970)年に当形式が登場している。何台生産されたという明確な数値はないが、昭和46(1971)年度末時点で国鉄に配備されたバラストスイーパーは70[台]1)である。ただ、昭和46(1971)年9月に博多機械軌道区に配備されたのが後継のBC-22)であることを考えると当形式の生産数はそれほど多くないものと考えられる。

 

■主要諸元3)

エンジン ガソリン機関空冷4サイクル 7.5[PS] / 1,700[rpm]
ブラシ回転数 100[rpm]
外形寸法 約長さ3,300[mm]×幅2,500[mm]×高さ1,700[mm]
重量 2.7[t](文献4)では3.5[t]となっている)
スイーパー直径及び本数 800[mm]、117[本]

参考文献
1)中野早八・白井国弘『バラストスイーパーの紹介』,施設教育,第24巻6号,鉄道日本社,(1971.06)
2)浅川泰弘・高村昭宜・前田勝美・大隈久雄『バラストスイーパーの改良』,施設教育,第25巻10号,鉄道日本社,(1972.10)
3)磯浦克敏、秋元清、伊藤宏『マルチプルタイタンパの騒音防止』,鉄道線路,第21巻8号,日本鉄道施設協会,(1974.08)
4)秋元清『今月の表紙写真』,新線路,第24巻9号,鉄道現業社,(1970.09)

脚注
1)文献3) p.4の表-1「主な保線機械の数量(47年3月末現在)」による
2)文献2) p.68
3)文献1)による