■概要
大型の箱型車体に東京計器製の探傷装置を備えたレール探傷車。
JR東日本ではレールモニタリング車、通称「SMART-Green」と呼称されている。
従来のレール探傷車と比較して約2倍の速度(70[km/h])で探傷を行うことができる。
測定速度に応じて探傷感度と触媒として散布する水の量を自動調整する機能を備えており、50[km/h]以上の高速探傷を行う際には従来よりも多くの水量を使用するため水タンクが大型化されている。
塗色ははやぶさ号をイメージした緑色が採用されている。
こまち号をイメージした赤色の塗色の線路設備モニタリング車と併結して運用が可能である。
線路設備モニタリング車との往来のため運転室妻面に出入口扉が配置されているのが特徴的である。
諸元表
■ 寸法・重量
長さ | 18,250[mm] |
幅 | 2,870[mm] |
高さ | 3,970[mm] |
軌間 | 1,435[mm] |
台車間距離 | 11,500[mm] |
軸距 | 1,800[mm] |
車輪径 | 860[mm] |
自重 | 48.0[t] |
■探傷装置
探傷方式 | 超音波パルス反射法 |
探触子方式 | 水ギャップ法による摺動型探触子方式 |
探触子ブロック | 個別探触子 |
最高探傷速度 | 70[km/h] |
水タンク容量 | 8,050[L] |
△探触子配置(順番は推定)
■エンジン
コマツ製 254[kW]/2000[rpm]
■その他装備
断面摩耗測定装置
レール頭頂面撮像装置
レール凹凸測定装置
運転台表示装置
キロ程情報分配装置
参考文献
1)東日本旅客鉄道『新幹線における「スマートメンテナンス」の開始について』,(2023.02.12閲覧)
https://www.jreast.co.jp/press/2022/20221213_ho2.pdf
2)糟谷賢一・角勇樹・佐藤伸也・草野慎吾『新幹線レールモニタリング車の導入』,新線路,77巻,5号,鉄道現業社,(2023.5)
3)関口隼也・糟谷賢一・五十嵐彰博・草野真吾『高速探傷可能な新幹線レールモニタリング車の導入と将来展望』,日本鉄道施設協会誌,61巻,12号,日本鉄道施設協会,(2023.12)
4)角勇樹・田村優太『北海道新幹線におけるレール探傷業務』,日本鉄道施設協会誌,62巻,3号,日本鉄道施設協会,(2024.3)