R400


概要

R400は、JR東海 東海道新幹線のほか、JR北海道 北海道新幹線にて運用される確認車である。
始発前に線路上に支障物がないかを巡視するための車両であり、R400のRとは”Researcher”の意である。

1993年頃からR300Aの後継として東海道新幹線向けに導入が開始された当機は、幾度かの改良を経ながら30年近くの長きにわたって運用されている。
2003年以降は富士重工からの技術移転を受けた、新潟トランシスが製造を行っている。

箱形の車体でありながら、くの字形になった前面と、その前面と側面の間に施された面取りが特徴的である。
前面ガラスはR300Aでは左右別々であったものが扇形の大きな一枚ものとなり、視界が広くなっている。
窓下には多数の前照灯が並ぶ配置とあわせ、オペレータの目視による確認行為を重視した構成となっていることが伺える。
車体前後端部の建築限界測定装置はR300A,Bでは展開・格納が人力であったものが、当機では機械動作式となっている。

初期型の車体側面には出入口扉があるのみでシンプルな構造だが、2エンジン化(後述)後のモデルについては両側面にエンジンルームへと続くルーバ―が設けられており、これがモデルチェンジ前後を見分ける際の特徴となっている。

動力系は、当初(1993~2004年頃)モデルは車体中央に搭載されたエンジン1基からトルクコンバータを介して前後軸を駆動する一般的な構成であったが、
2005年度以降導入されたモデルはエンジン・トルクコンバータといった動力系を2セット搭載として、各々が別々の1軸を駆動する構成に変更された。
この構成によって、万が一どちらかの動力系が故障した際も、残りの動力系で走行して駅・基地まで帰還することが可能となった。

R400には2001年から確認車故障診断システムが導入されている。
このシステムは万が一故障が発生したときに状況をいち早く察知し、迅速に応急処置を行えるようにすることを目的として開発された。
確認車の運転制御を行う制御装置と、運転台に備わるモニタ装置(タッチパネル式)から構成されており、故障時の応急処置方法表示機能、ブレーキ作動状態表示機能、操作履歴表示機能を有している。

また、地域別の差異として冬季の霜取りのためにパンタグラフを搭載した車両や、スノープラウを前後に備えた車両が存在する。

北海道新幹線用として2015年度に導入されたモデルでは、除雪も行えるよう除雪装置が取り付け可能となっており、開業前の2016年冬に函館保守基地内にて除雪試験が行われた。
除雪装置はV字形のもので、除雪幅2,890[mm]、レール面下70[mm]まで除雪が可能となっている。

R400は東海道新幹線全線で運用されており、普段は保守基地や一部の駅で見ることができる。
なお北海道新幹線では、新青森―新中小国(信)間および木古内―新函館北斗間にて運用されており、こちらも各基地で見ることができる。

 

諸元
■牽引性能

勾配 牽引重量 単車 牽引時
水平線 150[t] 80[km/h]以上 60[km/h]以上
10‰ 150[t] 70[km/h] 20[km/h]以上
20‰ 150[t] 60[km/h] 10[km/h]以上

 

参考文献

1)『新幹線 作業の機械化』, 新線路, 第48巻 7号, 鉄道現業社, (1994/7)
2)名倉伊三美, 『新幹線の機械化作業への取組み』, 新線路, 第48号 7号, 鉄道現業社, (1994/7)
3)『保守用車の事故防止対策』, 新線路, 第48号 12号, 鉄道現業社, (1994/12)
4)遠藤薫, 『確認車故障診断システム』, 新線路, 第55号 6号, 鉄道現業社, (2001/6)
5)吉田昌平, 『東海道新幹線の保守用車事故防止対策』, 新線路, 第59巻 6号, 鉄道現業社, (2005/6)
6)高橋祐司・所祥, 『北海道新幹線の確認車及び除雪車の平成25年度冬期試験』, 新線路, 第68巻 12号, 鉄道現業社, (2014/12)
6)JR北海道, 『北海道新幹線で使用する主な保守用車等の導入について』, https://www.jrhokkaido.co.jp/press/2015/151009-1.pdf, (2015/10/9)
7)JR北海道, 『JR北海道における冬季の取り組みについて』, https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20181211_KO_inWinter.pdf, (2018/12/11)