HTF-22W

写真:HTF-22W
大南 聡史「バラスト吸引装置車(SVL-N80E型)」『東急車輛技報』50号,2000年,pp.62-64.より

 


 

HTF-22Wは北陸重機工業の道床交換作業車である。吸引装置を製造した東急車両製造における形式はSVL-N80E1)

 

■概要

帝都高速度交通営団(営団地下鉄)の東西線バラスト道床区間用として製作された、吸引式道床交換作業車である。営団では以前より2編成の作業車を保有していたが、1999年度に増備された2編成に組み込まれた吸引装置車は車台が北陸重機製、吸引装置が東急車輛製となった2)

 

SVL-N80Eの概要図と吸引システム図
大南 聡史「バラスト吸引装置車(SVL-N80E型)」『東急車輛技報』50号,2000年,pp.62-64.より

本機種は、オイルを使用しないため環境にやさしくメンテナンスも容易な水封式真空ポンプを使用している。排気ガスは「触媒式浄化マフラー」と「湿式浄化マフラー」の2つのマフラーで浄化される仕組みであり、車体はグラスウールを内貼りした構体で覆うことで防音性を高めている。これらは東急車輌が製造してきた吸引作業車と防音コンテナの技術を組み合わせたものであった。なお、本機種もこれまで導入された作業車編成と同じく、吸引装置車・真空タンク車(松山重車輌工業製)・ダンプトロを2台のモータカーで挟んだ編成で運用された3)

 

■諸元

諸元は以下の通り4)

全長 9500[mm]
全幅 2620[mm]
全高 3900[mm]
自重 24[t]
風量 80[m^3/min]
真空度 -0.067[MPa]
エンジン いすゞA-6RB1T 219[kW]/2000[min^-1]
真空ポンプ 150TYDM 40[m^3/min] 2基
騒音レベル 80[dB]/1250[min^-1]以下
(本体より側方1m)

 

■文献

1)大南 聡史「バラスト吸引装置車(SVL-N80E型)」『東急車輛技報』50号,2000年,pp.62-64.竹内 一裕「東西線のバラスト交換車両」『Center Cab』86号,2002年,pp.2-8.

2)大南,前掲1.竹内,前掲1.東京地下鉄株式会社鉄道本部工務部編『帝都高速度交通営団工務部のあゆみ:軌道編』,2005年,東京地下鉄鉄道本部工務部.

3)竹内,前掲1.大南,前掲1.

4)大南,前掲1.