KBS-1A


■概要
2台車式の軌陸バックホウ牽引式バラストスイーパー。

 

■背景
軌陸バックホウによるマクラギ交換や軌道整備後の道床整理は人力により実施されてきた。
これの機械化のため軌陸バックホウ牽引式バラストスイーパーが開発されることとなった。

■構造
2.93[t]クレーン付き4[t]トラックによる運搬・積卸を考慮して車体を分割してバラストスイーパ(KBS-1A)と動力装置(締結ブラシ装備)(KBS-1B)の2台車式としている。

△文献6)より

バラストスイーパには進行方向前側から順に主に下記の装備を有している。

・サイドプラウ
軌間外のマクラギ上のバラストを押し出す。障害物検知装置により障害物を検知すると自動で上昇し、障害物との接触を回避する。

・ベルトコンベア
メインブラシで掻き出した余剰バラストを軌間外に排出する。

・メインブラシ
軌間内の余剰バラストをベルトコンベア上へ掻き出す。

 

動力装置には主に下記の装備を有している。

・発電機
電源供給用に18[kVA]の発電機を備えている。

・油圧ユニット
メインブラシ等に油圧を供給する。

・エアーコンプレッサー
サイドプラウの昇降等のため空圧を供給する。

・締結ブラシ
締結装置付近のバラストを整理する。継目検知装置によりレールの継目部では自動で回転を停止し、ボントの損傷を防止する。

バラストスイーパー・動力装置共通の構造として、バックホウとの連動制動機能を有する他、踏切での載線が容易に行えるようにリフティング機能付き横取車輪を備えている。

 

■諸元

寸法・重量(バラストスイーパ/動力装置)

長さ 3,410/3,080[mm]
1,965/1,965[mm]
高さ 1,110/1,100[mm]
軌間 1,067[mm]
車輪径 φ380以上[mm]
最小通過曲線半径 100[m]
自重 1.8/2.1[t]

 

■参考文献
1)『軌陸バックホウ牽引式バラストスイーパー』,大鉄工業株式会社 線路本部 線路機械部
2)JR西日本『長い延長のバラスト整理作業の効率化に最適な「軌陸バックホウ牽引式バラストスイーパー」』
https://media.jrw-ip.jp/blog/6670/(2024/06/26閲覧)
3)東進産業株式会社『【バラストスイーパー】』
https://www.youtube.com/watch?v=mg7JRlcqCEA(2024/06/26閲覧)
4)大鉄工業株式会社『軌陸バックホウ牽引式バラストスイーパー』
https://www.youtube.com/watch?v=6nm8Sw87P6c(2024/06/26閲覧)
5)軌陸車テック株式会社『レンタル製品カタログ 2024』
https://kirikutech.jp/pdf/rental_catalog_2024.pdf(2024/06/29閲覧)
6)坂本士・森章馬・片山吉信『軌陸バックホウ牽引式バラストスイーパーの開発について』,令和4年度土木学会全国大会第77回年次学術講演会,土木学会,(2022)