■概要
電車線の検査、保全作業を主に行う保全車である。
MWはMaintenanceWagonの略である。
現在のところ二世代のMWが確認されている。
■第一世代
△第一世代の丸目4灯のMW(上記画像左側)。文献3)より
1993(平成5)年度から導入が始まった世代で富士重工業製の第1世代MWを置き換えたと推測されるタイプ。
作業台上での運転操作が可能になるなどの改良が加えられており重量は約21[t]となっている。
名古屋電力所では3[両]のMWが配置されていたことから東海道新幹線全体で20~30[両]のMWが存在していたものと推測される。
■第二世代
△第二世代の角目8灯のMW
2009(平成21)年頃から導入が始まった世代で旧型の丸目4灯から角目8灯に変更になっている。
富士重工製のMWに倣った基本構造をしており、床下に装備した転車台で転車や横取基地への収容が可能である。
富士重工製との機能的な差としては、トロリ線の点検作業中の接地用として空圧式の接地パンタを採用することで押し付け力の精度向上と調整範囲の拡大が図られている。
なお北陸重機工業にてOEM生産されていることがわかっている。
・寸法・重量
長さ | 7,140[mm] |
幅 | 3,000[mm] |
高さ | 4,450[mm] |
軌間 | 1,435[mm] |
軸距 | 762[mm] |
車輪径 | 762[mm] |
自重 | 22.4[t]以下 |
・エンジン
最大定格出力 200[kW]/2200[rpm]
・走行性能
勾配 | 牽引重量 | 単車時 | 牽引時 | 定速走行時 |
水平線 | 20[t] | 70[km/h]以上 | 60[km/h]以上 | 10[km/h]以上 |
15‰ | 20[t] | 60[km/h]以上 | 30[km/h]以上 | 05[km/h]以上 |
参考文献
1)交通事業部 車両部『新幹線用保全車両』,三菱重工技報,49巻,2号,(2012)
2)北陸重機工業『納入実績』
http://www.hokuju.com/contents/delivery-track-record/
(2021.4)
3)愛金建設株式会社『事業内容』
https://aikinkk.jp/service/
(2023.04.08)
4)安井茂高『保全車横取時、停止方法の改良』,鉄道電気,第51巻8号,鉄道現業社,(1998.08)
銘板未回収