富士重工業の軌道自転車

■概要
国内保守用車メーカーの代表格の1つである富士重工業であるが、軌道モータカーに参入するより前の1949年には、前身の一つである富士産業(株)大宮工場がレールスターの愛称でエンジン付きの軌道自動自転車を生産していた。
レールスターは1949年から1956年にかけて1700台を生産し、中田製作所峰製作所と並び、国鉄に納入された。

■沿革
本稿では富士重工業の中でも軌道自転車に関わっていた大宮製作所について沿革を記述する。
1942年に中島飛行機が海軍用誉型発動機増産のため、競馬場跡地に大宮製作所を建設。
1943年に生産を開始し、国内の主力発動機工場の一つとなる。
1945年8月に終戦にともない、富士産業(株)大宮工場となり民需産業に展開。同年11月より自動車用部品、漁船用発動機、農耕機、土木機械の生産を開始。
1946年に軌道モータカー「自動トロ」を生産。
1949年に軌道自動自転車「レールスター」を生産。
1950年8月に大宮富士工業(株)として再発足。
1955年4月に富士重工業(株)大宮製作所となる。この当時の製品はわずかな汎用エンジンのほか、産業車両(軌道自転車を含む)と軽三輪、オートバイなどであった。
1956年9月に産業車両は生産を中止し、一部が宇都宮製作所に移管される。

■機種

1949年より軌道自動自転車の製造が確認されているが、型式等が認識できるのは1951年度以降に開発された型式からである。


■51型軌道自動自転車

△文献2)より

1951年度に登場した2.5HPの軌道自動自転車。


■53型軌道自動自転車

△文献5)より

1953年に登場したと思われる3HPの軌道自動自転車。
プレス車輪に変更され形状が異なる。


参考文献
1)富士重工業株式会社社史編纂委員会 編『富士重工業三十年史』,富士重工業,(1984.7)
2)吉次利二 著『国鉄の資材』,一橋書房,(1951)
3)東京富士産業株式会社『交通技術』6(8/9)(61),交通協力会,1951-09
4)東京富士産業株式会社『交通技術』7(12)(76),交通協力会,(1952.12)
5)『鉄道技術発達史』第2篇 第1,日本国有鉄道,1959
6)富士重工業株式会社『交通技術』11(6)(120),交通協力会,(1956.6)