写真:モータカーに牽引される本型式の作業編成
大阪市交通局編『大阪市地下鉄建設70年のあゆみ:発展を支えた建設技術』,2003年,大阪市交通局.より
大阪市交通局(現:大阪メトロ)は松山重車輌工業製の吸引式道床交換作業車を導入していた。銘板上の形式は不明だが、カタログ上の形式はJTB2400およびJTB2410である。吸引装置を製造した兼松エンジニアリングにおける形式はDE-150SW + SR-140(S) およびBA-150S1)。
■概要
大阪市交通局の路線はバラスト道床が主体のため、掘削作業が重労働となっていた。この作業を機械化するため1992年に導入されたのが本機種であった2)。
JTB2400の編成
松山重車輌工業『More Advance MJK』,発行年不明,松山重車輌工業.より
JTB2400 + JTB2410は吸引装置車と真空タンク車の編成である。本機種は編成の前後どちらからでもバラスト吸引が可能な構造となっている。また、真空タンク車は新バラストの投入にも使用できる3)。
JTB2410
松山重車輌工業『More Advance MJK』,発行年不明,松山重車輌工業.より
JTB2410はバラスト回収アタッチメント車である。マクラギ下バラスト回収用の機械であり、吸引ホースの付いた油圧式アームをリモコンで操作して作業することができる4)。
この道床交換作業編成は2015年に不用品として売払い契約のための入札が行われており、その頃まで存在していたと思われる5)。
■諸元
諸元は以下の通り6)。
風量 | 100[m^3/min] |
真空圧 | -500[mmHg] |
タンク容量 | 14[m^3] |
■文献
1)兼松エンジニアリング「軌道敷吸引装置」http://www.kanematsu-eng.jp/catalog/kidoushiki.pdf(2024年5月10日取得).松山重車輌工業『More Advance MJK』,発行年不明,松山重車輌工業.
2)大阪市交通局編『大阪市地下鉄建設70年のあゆみ:発展を支えた建設技術』,2003年,大阪市交通局.
3)兼松エンジニアリング「K&E創立50周年記念:技術開発史」http://www.kanematsu-eng.jp/product/history.html(2024/05/10取得).
4)兼松エンジニアリング,前掲1.
5)大阪メトロ「不用品売払い契約」https://www.osakametro.co.jp/contract/library/uriharai_kekka/baikyakukekka-1506.pdf(2024/06/03取得).
6)兼松エンジニアリング,前掲3.