■概要
電気作業のほかトンネル壁面の点検にも対応する新幹線用作業車。
MKWとは Multi-Kyushuoriginal-Wagon の略である。
JR九州の西九州新幹線にて導入が確認されている。

■構造
MMW(多機能保全車)に似た構造の車両であり、製造番号もMMWの続番であると推測される。
・固定作業台
架線作業を目的として前位側運転室上部に備えられている。
固定作業台の中に昇降スライド作業台が装備され、スライド機構で架線を交わして作業台を昇降することができる。
・旋回昇降作業台
電柱周りの作業を目的として備えられている。
ブーム式の高所作業機でレール面から約9.8[m]まで伸ばすことができる。
旋回昇降作業台の基部にはカント修正装置が備えられておりカントによる傾きを修正しての作業を行うことができる。
・折り畳み式足場
トンネル壁面点検を目的として車体両側面備えられている。
スライド張り出し、カント修正を行うことができる。
・クレーン
資機材の積載や架線支持金具の取り付け作業を目的として1位に備えられている。
| 最大吊上荷重 | 2.63 [t] |
| 最大作業半径 | 12.6 [m] |
・架線検測装置
架線の高さ及び偏倚を測定するために前位側固定式作業台上に備えられている。
一定の押し付け圧で架線の高さ変化に追従しての測定が可能である。
万が一作業中に架線に通電した際でも地絡させ作業員を守る接地機能を有する。
・案内ローラー
架線張替時に架線を任意の高さへ案内するために後位側運転室上部に備えられている。
架線高さに合わせて昇降することが可能である。
・伸縮昇降梯子
カント区間、貯雪区間など軌道スラブが高い場所において安全に乗り降りするために両側面に備えられている。
空気圧により昇降し、梯子をレール面下まで下げることができる。
・車体安定装置
旋回昇降作業台の使用時には重心位置が遷移し、サスペンションの働きにより車体が傾斜し動揺が発生し危険である。
これを防ぐため油圧シリンダによってサスペンションを伸ばす「バネ殺し」を行い車体を安定させる。
・レールキャッチ
クレーン使用時に吊り荷の揺れ・突風などの想定外の転倒モーメントが発生した際でも車体の転覆を防ぐために備えられている。
爪状の部品をレールのあご部に挿入する。万一車体が傾斜した際には爪がレールのあご部に掛かることで車両の転覆を防ぐことができる。
本形式は脱線防止ガードを備える西九州新幹線に対応するため片側のみ爪を掛ける仕様としている。

■ 走行性能
| 勾配 | 牽引重量 | 単車積載時速度 | 重量牽引時速度 | 積載荷重 |
| 水平線 | 30[t] | 70[km/h] | 55[km/h] | 1[ton] |
| 35‰ | 30[t] | 30[km/h] | 55[km/h] | 1[ton] |
■ 参考文献
1)藤川央玖人,「新幹線保守用車の紹介」,建設機械施工,75巻3号,一般社団法人日本建設機械施工協会,(2023.03)


